この一節は方人、つまり味方よりもむしろ自分を迫害する強敵こそが、
信仰(自分自身)を育ててくれる恩人であると説かれています。
いかなる苦しみにも屈するなということです。
極楽とは「楽の極み」と書くように、
そこには悪人もいなければ苦しみもないといわれています。
一方、私たちが生きるこの世界を娑婆と呼びます。
また忍土とも表現されるように、まさに苦しみが充満してしまい、それに堪え忍ぶ世界のことです。
だからこそ、苦のない世界を望むのです。
しかし、翻って考えてみた時、苦のない所(世界)に自己の成長や進歩があるのでしょうか。
アスリートや成功者たちを見てください。
なんの苦も努力もなく、勝利や栄冠・地位・名誉などをつかんではいないはずです。
何時如何なる時においても逆境を乗り越えてきたからこそ、
あの笑顔が自信が生まれてくるのではないでしょうか。