人生最後を迎える時、最も不安なのは
「死後自分はどうなるのか、残されたものはどうなるのか」
ということではないでしょうか。
その時
「霊山浄土(死後にたどり着く安穏(=安らぎ)の世界)へ来られたなら、その入り口である北東の方角の渡り口で日蓮大聖人さまをお呼びなさい。
必ずそこでお待ちしておられ、あなた自身にとって最善なる方向を示していただけるから」
と、このように明確に行き先が示されたなら、どんなに大きな安らぎが得られることでしょう。
ただ信じて懐へ飛び込んで行けばよいのです。
「死に様は生き様」
というように、安心して人生の最後を迎える確信を得ることは、いい生き方につながるのではないでしょうか。
死ぬ間際に、
「あれをしておけばよかったな。あれはどうしたかな」
というような、その生涯の中に後悔の念が起これば、霊山浄土へは行けず、魂だけがこの世にさまようことでしょう。
それは本人にとっても残されたものにとっても、非常に悲しく辛いことです。
願わくば、生涯に誇りを持ち、後悔をしない人生を送ることが大事ではないでしょうか。
本書は日蓮宗の葬儀の際、引導文の一節によく読まれ、故人に死後の安心を与える名文です。
平成28年12月1日