こんな句があります。
夫が
「お前みたいなおたふくババを、俺でありゃこそ置いてやる」というと、
妻はすかさず
「私なりゃこそ辛抱もするが、誰がみるぞや痩せ所帯」。
よくお説教で引かれる道歌です。
しかし、この句はこう続きます。
「外で俺が働けるのも、家を貴女が守りゃこそ。私みたいなふつつか者を、貴方なりゃこそ大切に。
こそと威張ってこちらにつけりゃ、何とこしゃくと喧嘩ごし。
こそと崇めて向こうにつけりゃ、ニッコリ笑ってあなたこそ。
喧嘩するのも仲良くするも、こその付けどこただ一つ」
今月22日は、一般にいい夫婦(11月22日)の日とされています。
語呂あわせではありますが、大切なことではないでしょうか。
子や孫たちに、何か大切なこと(教養や常識的な事・家の仏事や信仰)を伝える役目を担っているのが夫婦です。
なかなか親が教えられないことや大切なことは祖父母夫婦が教え伝えてくれます。
現代では、離婚や死別などで一人で子供を育てている方もおられます。
子供を育てていくうえで、仕事と子育ての両立は難しいものであります。
それでも祖父母夫婦がいらっしゃれば親に代わっていろいろと伝えてくれるはずです。
家庭の事情はそれぞれありますが、
しっかりと強い意志で子供を育てることを心がけている方は、何かしらの不思議な力(縁)で守られており、
その時その時の場面での智慧を授かったり、また人との縁をつないでくれたりということがあります。
いい夫婦(11月22日)の日、共に見つめ直してみてはいかがでしょうか。
令和2年11月1日 法修山一心寺