いよいよ「令和」の時代の始まりです。
この元号に込められた思いとは、
「梅が花開きふくよかな香りを放つことができるのも、冬の厳しさを経験しているがゆえ。
人も厳しき経験を通して他を思い、美しく心を寄せ合う時代になる」
ことを願って、選定されたといわれています。
ところで、私たちはついつい花に目がいってしまいます。それは、花が綺麗に咲いていて目をうばわれるからです。
しかし、その花を咲かせる大本というのは何処にあるのでしょう。
それは、しっかりと大地にはっている根にあるのです。
しっかりと大地に根がはっていれば、強い風が吹いても雨で水が流れてきても、
根幹から幹を支え栄養を蓄え、そして葉を生い茂らせ綺麗な花を咲かせるのです。
こんな言葉があります。
「何も咲かない寒い日は下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」
私たち人間も同じです。
人間としての体と心の礎(基礎)となることをしっかりと勉強し、社会に貢献し、
さらに自分のことだけでなく、他人も思いやる心(気持ち)がないと、人としての成長はありません。
また、家の中においても同じことで、代々受け継いできた大切なこと(信仰=心と教養=智慧と行動)は受け継ぎ、
祖父から親へ、親から子へ、子から孫へと代々伝えていかなければならないのではないでしょうか。
日蓮大聖人は、窪尼に夫の信仰を受け継ぎ、その根を深く張ることを教え諭されています。
それは、受け継ぎ根を張ることにより、自分だけでなく子や孫の代において、幸せが訪れるということなのです。
私たちは、根を養う心がけが第一ではないでしょうか。
令和元年5月1日 法修山一心寺