「借りた傘、雨が上がれば邪魔になり」。
耳に痛い言葉ですね。私たちは受けた恩を往々に忘れてしまいがちです。
これは凡夫(私たち)の性なのかもしれません。
しかし、それが人間関係のトラブルの原因になってしまっていることも否定はできないでしょう。
だからこそ次の句を心に刻む努力が必要ではないでしょうか。
「末法(今の時代)」という、生きる指針が喪失されている現代、
私たちを覚醒させる祈りが「四恩をしって知恩報恩をほうずべし」のご遺文の中に込められています。
「四恩」とは、
① 命を与えてくれた親、ご先祖さまの恩。
② 師として教導(教え導いてくれる)してくれた人々の恩。
③ 国土環境(自然環境・立地条件等)の恩。
④ すべての源であるご本仏の恩。
これを常に我が心魂に留めて生きていくことが大事なのです。
「恩を知って恩に報いる」。
まさに人間関係(対人関係=両親や祖父母、友人、会社の上司、同僚等)にとって大切なことではないでしょうか。
これがたとえ小さなことでもこじれてしまうと、だんだんと取り返しのつかない(修正できない)ことになり、
無視されたり、いじめの対象とされたり、最後には一人ぼっちになってしまうかも知れません。
「かけた情けは水に流せ。受けた恩は石に刻め」。
本年、特に気を付けていきたいものです。